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【小説】すなどけい ケース⑤
「おなかがすいた子いねがぁー おなかがすいた子いねがぁー」

これは 彼のオーソドックスな パトロールのスタイルである

「くそ。すっかり飽食の時代になっちゃって。みんなおなかいっぱいだよまったく。」

アンパンマンは 幾日も食べられずにいて 少しカビてきた頭をボリボリかきながら くるくると空中を回転した。

そして パン工場へと帰るのであった

アンパンマン「ジャムおじさん。ただいまー。」


ジャムおじさん「アンパンマンおかえり。どうったなかな?今日は。」

アンパンマン「今日もだめでした。誰一人として ひもじい。いわゆる”さもしい”人はいませんでした。」

ジャムおじさん「時事ネタを絡めるんじゃないよアンパンマン。」

アンパンマン「天丼マンなんて てんぷらがギトギトになってましたよ?3回揚げなおしたって・・・。」

ジャムおじさん「こんな時代だ。仕方がない。今日のところは とりあえず新しい顔に変えてお休み。アンパンマン。」

アンパンマン「ジャムおじさん。僕、人々を助けるのが幸せだったのに・・・。すっかりだめです。」


バタコ「あら?アンパンマン。今日も食べられずに帰ってきたの?だめねぇ。」


アンパンマン「バ、バタコさん・・・・すみません。」

バタコ「あなた。なんのために生きてるか理解してないようね。」

アンパンマン「僕、おなかすいた人を助けるために生きてきたのに・・・・。」

チーズ「ワンワン」

バタコ「そうね。あなたではもう 人を幸せにできないって事かもしれないわね。」

アンパンマン「・・・・・・」

ジャムおじさん「バタコ!! ひどい事を言うもんだ!!」

バタコ「現実よ。」

アンパンマン「すみません。僕。役にたたなくって・・・」

ジャムおじさん「ア、アンパンマン。そんな事はないよ。みんな すぐにおなかがすくさ。」

バタコ「おなかがすいたって あったかいスープや 焼きたてのパンが手元にあるわよ。」

ジャムおじさん「無い人だっているだろうが!!」

アンパンマン「あ・・・・・」

その場にバタリと倒れるアンパンマン

ジャムおじさん「アンパンマン!!!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・

・・



アンパンマン「う、、、うーん・・・」

バタコ「アンパンマン!!気がついたのね!よかった!!」

チーズ「ワンワン!!うーーワンワン!!」

ジャムおじさん「気分はどうだい?アンパンマン」

アンパンマン「僕・・・どうしちゃったんだろう。」

ジャムおじさん「大丈夫。疲れが出ただけさ。大丈夫。」

バタコ「アンパンマン。癌って知ってる?」

ジャムおじさん「バタコ!!!!」

アンパンマン「ガン?」

バタコ「そう。体の中の細胞が 暴走を始めて 壊れはじめるの・・・。あなたそれなの。」

アンパンマン「ガン・・・・ですか?」

ジャムおじさん「アンパンマン・・・・・。」

アンパンマン「でも、体が壊れたって、また新しいパンを焼いてもらえば僕、大丈夫ですよ?」

バタコ「アンパンマン。わかってるでしょう?」

ジャムおじさん「バタコやめないか!」

アンパンマン「え?」

バタコ「体は・・・・。焼けないのよ・・・・。」



    それって・・・・ もう 死ぬって事・・・・・?


アンパンマン「うわああああああああああああ!!!いやだやだいやだいやだーーーー!!!!
         死にたくないよ!!!うっわああああああああああああ!!!」


バタコ「ア、、、アンパンマン・・・」




それから

アンパンマンの体は 見る見るやせていった

顔は アンパンマンの希望により 32回 変えられた

だけれど 体は 痩せる一方だった



途中見舞いに来た カレーパンマンや メロンパンナちゃんに やつあたりした


アンパンマン「へ!!なんだお前ら!!元気そうな体して!!」

カレーパンマン「な、なにいってるんだよアンパンマン。お前もすぐ元気になるさ。」

ロールパンナ「そうよアンパンマン。元気になるのなんてすぐなんだから!!」


アンパンマン「もう・・・・やったのか?」

カレーパンマン「え?」


アンパンマン「もう・・・セックスしたのかってきいてるんだよ。」

カレーパンマン「アンパンマン何を・・・。」

アンパンマン「お前らもうセックスしたんだろ!!俺だってやりたかったよ!!メロンやロール達とな!!
         どれだけ我慢していたか!!ええ!?」

メロンパンナ「アンパンマン・・・だめ・・・」


アンパンマン「何のためにいきてるのかって!!?聞きたいか!!???ええ!?答えられるか!?お前ら!!」

カレーパンマン「・・・・・」



アンパンマン「おいしいものたべて!!好きなことして!子供作って!!孫の顔見て!!だから生きるんだろうが!!ええ!?」

病室は静まり返った

アンパンマン「俺は・・・ 今まで 何のために 生きてきたんだ・・・。 こたえられないなんて・・・。
今になって答えられないなんて・・・・。そんなのは・・・・   いやだあああああああ!!!!!」






最後の瞬間  アンパンマンの顔は 焼きたてで つやつやだった

みんなが アンパンマンを囲んだ

食パンマン「あんぱんまん。君は、いつも僕の目標だったよ。きっと また 命の星が降るさ。」

クリームパンナ「あんぱんまん。君のアン。上等だったぜ。」

アンパンマン「みんな・・・。みんなありがとう。僕は・・・僕は・・・。」


ジャムおじさん「おや?」

入り口の隅に隠れていたのは バイキンマンだった


バイキンマン「ふん。やっと、やっかいものがいなくなるぞ。」

どきんちゃん「バイキンマン。あんたあれだけ泣いてたのに!」



天丼マン遅れてやってきた

天丼マン「アンパンマン!!揚げたて天丼だ!!!くえー!!」

アンパンマンの顔に 揚げたての 海老天が べちょりと くっついた



アンパンマン「みんな。ありがとう。僕が死んだ後も 僕の顔をやいてね ジャムおじさん。」


ジャムおじさん「焼くとも。焼くとも!!」



アンパンマン「あ。見て・・・。綺麗。空から 流れ星が・・ながれて・・・・きた・・・」



一同「あんぱんまーーーーーん!!!」


アンパンマンの 命の星は 空へ帰った

ベッドには 細くなった アンパンマンの体と、それでも ピカピカのアンパンマンの顔が笑っていた。


君たちの町のケーキ屋や パン屋に並んでいるアンパンマンは 


そんなアンパンマンに違いない。


そんなアンパンマンに相違ない。







はいはい。
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うん
だから止めるっていったのに。
アンパンマンって
考えるとこうなるよねどうやっても。
私もアンパンマンの小説前に書いたことあるw
  • たこ さん |
  • 2009/01/11 (19:57) |
  • Edit |
  • 返信
勝手な想像だったけど
アンパンマンは平和になったら
宇宙のどこかに帰ると思ってたヨ。
  • 和尚 さん |
  • 2009/01/11 (20:25) |
  • Edit |
  • 返信
>re
>たこやん
その小説見たいわw
アンパンマンが必ず良くない方向にいくのは世の常ですなぁ。

>和尚さん
平和になる=バイキンマンが居なくなるという事なんだろうけど
それってとても淋しくなりますね。
なぜか・・・。
あった
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=136643795&owner_id=1098565

小説っていうより殴り書きみたいなの。
BERの小説ぽいとか書いてるw
  • たこ さん |
  • 2009/01/23 (23:49) |
  • Edit |
  • 返信
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