【短編】ルパン三世

にげろ　にげろ

全身凶器の　銭型警部が　襲ってくる

にげろ　にげろ

捕まるぞ

想像しただけで　体が震える

全身凶器の　銭型警部

奴は　笑いながら　叫ぶ

「俺がいねぇと　死んじまうぞ！」

だから　逃げてる　銭型警部

捕まったら　大変だ

畑を　掻き分け

固まってないコンクリートを上を　走り抜けて

にげろよ　にげろ　銭型警部

いくらでも　怒号がきこえてくる

「おい貴様！どれだけ荒らせば気がすむんだ！！」

ちょっとまて

まるで　俺が悪者じゃないか

ふと立ち止まって　横をみれば

こんなにも　荒れた　足跡が

悲しく悲しく　乱れてる

思わず　顔を背けても

荒れすぎていて　どこ見ても　同じ

あわてて　ペンキを持ち出すも

絵の具の色があわないし

あきらめて　筆を投げ出して

大声出して　泣き出した

それを　見て　笑う　銭型警部

「俺に捕まりゃ楽になる。」

それも　知ってる　知ってるさ

だけども　逃げる事だけが

すっかり得意で　捕まらない

「じゃあいいや。お前が息切れするのを待ってるわ。」

銭型警部は　そう言って

追ってこようとしなくなった

そこで初めて　逃げるのやめて

足跡つけることもなくなった

そこで　犯罪もすっかり終わったってわけだ

銭型警部は　頭が良い

だけど　これから　道を戻って

すっかりペンキの塗りなおし

ずっと　ずっと　前の　塗り残しは

色を整えるのが　大変だぞ

「絵の具残ってるうちに塗っとけばよかったんだよ。」

銭型警部は　少し優しく　そう言った