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【小説】不思議なクイタマの話
クイタマ
クイタマの説明をするのはいつも難しい
外見だけで許されるなら それは簡単だ
直径10cm。ってことは半径5cm。
ちょっとゆがんだ球体だ。
色は 白。 白も白。
真っ白で、市販の質の良い紙の上に転がすと
消えて見えないくらい。
温度は30度くらい。生温かい。
これだけ話すと、みなさんはゆで卵を思い浮かべるんじゃないだろうか。
似てないとはいわないが、なんというか・・・雰囲気は全くの別物だ。
たとえるなら、巨大なビルというか・・・猛スピードで走る列車のようだ・・・。
よくわからないが、何かしらの畏怖を感じる存在だ。
腹が立つことにそいつは いつも食卓にいる。
かと思えば、布団の枕元。
最初の頃は、自分の精神的な病を疑った。
そりゃ確かに会社では色々あるさ。
言いたかないが、殺したいなんて考える奴は少なくとも3人はいる。
好きな人は一人。
いや、二人・・・かな。
そういった背景を踏まえて病院にいったとしても、帰ってくる答えは決まっているので僕は病院にはいかなかった。
この クイタマの存在をただ受け入れた。
とりあえず クイタマは何も言わない。
僕はそんな クイタマとの生活が当たり前になった
5年経った
クイタマも少し大きくなった
色は真っ白から 少しクリーム色になったかもしれない
でも やってる事は変わらない
10年経った
クイタマは さらに大きくなった
色はまた 白に戻っていた
お風呂場にも出てくるようになっていた
20年経った
クイタマは またほんのちょっと 大きくなっていた
もう お風呂場には出なくなった
そして
30年。
40年の月日が経った。
その頃には クイタマは 小さくて 少し濁ったオレンジ色に変っていた。
出てくる場所も 食卓だけになっていた
もう 何年になるか
僕と。
そして このクイタマとだけの生活。
すっかり 年金をもらう歳になり
すっかり 青い空と、緑の庭を いったりきたりする日々だ。
結局は 最初から 決まっていたような気がする
こうやって
静かに庭をいじる生活も きっと クイタマは知っていたんだろう。
僕はその時、そっとクイタマを 拾い上げた。
もう 冷たくなっていた
こんなにも 小さくなって 濁って 冷たくなったクイタマは
クスクス笑っているようだ
さぁ どうしてくれる クイタマ!
もう残りの時間は少ないぞ!
僕は 脅迫のように クイタマに叫んだ
クイタマは もう濁った しわだらけの 球体だったが
なにか 笑顔で返してくれた
僕は最後の最後
本当に最後の瞬間に
みんな クイタマと生活しているんだなと 思った
この僕の クイタマは
僕がいなくなった後
少し休憩して
また どこかの誰かと 過ごすんだろう
それが 何なのかは それぞれだ
時には 愛する人だ
時には 愛する犬だ
時には 昔に録画した映画かなにかだ
それらすべてが クイタマだ
クイタマの説明をするのはいつも難しい
外見だけで許されるなら それは簡単だ
直径10cm。ってことは半径5cm。
ちょっとゆがんだ球体だ。
色は 白。 白も白。
真っ白で、市販の質の良い紙の上に転がすと
消えて見えないくらい。
温度は30度くらい。生温かい。
これだけ話すと、みなさんはゆで卵を思い浮かべるんじゃないだろうか。
似てないとはいわないが、なんというか・・・雰囲気は全くの別物だ。
たとえるなら、巨大なビルというか・・・猛スピードで走る列車のようだ・・・。
よくわからないが、何かしらの畏怖を感じる存在だ。
腹が立つことにそいつは いつも食卓にいる。
かと思えば、布団の枕元。
最初の頃は、自分の精神的な病を疑った。
そりゃ確かに会社では色々あるさ。
言いたかないが、殺したいなんて考える奴は少なくとも3人はいる。
好きな人は一人。
いや、二人・・・かな。
そういった背景を踏まえて病院にいったとしても、帰ってくる答えは決まっているので僕は病院にはいかなかった。
この クイタマの存在をただ受け入れた。
とりあえず クイタマは何も言わない。
僕はそんな クイタマとの生活が当たり前になった
5年経った
クイタマも少し大きくなった
色は真っ白から 少しクリーム色になったかもしれない
でも やってる事は変わらない
10年経った
クイタマは さらに大きくなった
色はまた 白に戻っていた
お風呂場にも出てくるようになっていた
20年経った
クイタマは またほんのちょっと 大きくなっていた
もう お風呂場には出なくなった
そして
30年。
40年の月日が経った。
その頃には クイタマは 小さくて 少し濁ったオレンジ色に変っていた。
出てくる場所も 食卓だけになっていた
もう 何年になるか
僕と。
そして このクイタマとだけの生活。
すっかり 年金をもらう歳になり
すっかり 青い空と、緑の庭を いったりきたりする日々だ。
結局は 最初から 決まっていたような気がする
こうやって
静かに庭をいじる生活も きっと クイタマは知っていたんだろう。
僕はその時、そっとクイタマを 拾い上げた。
もう 冷たくなっていた
こんなにも 小さくなって 濁って 冷たくなったクイタマは
クスクス笑っているようだ
さぁ どうしてくれる クイタマ!
もう残りの時間は少ないぞ!
僕は 脅迫のように クイタマに叫んだ
クイタマは もう濁った しわだらけの 球体だったが
なにか 笑顔で返してくれた
僕は最後の最後
本当に最後の瞬間に
みんな クイタマと生活しているんだなと 思った
この僕の クイタマは
僕がいなくなった後
少し休憩して
また どこかの誰かと 過ごすんだろう
それが 何なのかは それぞれだ
時には 愛する人だ
時には 愛する犬だ
時には 昔に録画した映画かなにかだ
それらすべてが クイタマだ
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特別なことはなくてごく自然にそばにいてくれるもの
それぞれにとってのクイタマが何なのかは、一生かけてきづくものかもしれない
迷わずゆけよ行けばわかるさ
ありがとう
色は同じく白くて、自分の頭よりわずかに大きいと思われる、クイタマがいます。
彼は笑いもせず、答えもせず
でも執拗に。ただそこに居ます。
時が経っても何にも染められず、透けてしまうくらい、真っ白なまま。
それ クイタマってか
猪木っていうか・・・
クイタマってもうちょと名前考えればよかったなと思いましたTT
自身もクイタマかもしれん。
>あくみさん
人によってさまざま。
もやっとして なんか常に
話しかけてくるのもいれば。
真っ白なのはこれからだ。
それは ポッキーが
クイタマってか
ポッキー喰いたいって事なんだと
おもう。